「メディカルページレポート」では、鉄筋コンクリート7階建ての新しい病棟が新設される函館五稜郭病院を取材しました。
地域のニーズに応える病院を目指す、「新生、函館五稜郭病院」をご紹介します。



<取材協力>
函館五稜郭病院

函館五稜郭病院詳細ページ

2005年6月、現在の病棟の東側に、鉄筋コンクリート7階建ての新しい病棟が新設される函館五稜郭病院。既存棟の改修を含め長期にわたる工事は、年内にはすべて終え、よりいっそう充実した設備でお目見えします。一方、こうしたハード面の機能拡充とともに、医療体制の面からもまた、さまざまな取り組みが行なわれています。
急性期病院(入院が必要である患者や手術など、高度な医療を必要とする患者を主体に対応する病院のこと)として、地域のニーズに応える病院を目指す、新生、函館五稜郭病院をご紹介します。


一階外来待合室のロビーに、患者さんからの意見や要望を受け入れるポスト型の投書箱「ふれあいの窓」を平成11年4月より設置。投書は、院内32カ所に投書用紙のほか、料金受取人払いの封書を準備している。また、メールでも投稿が可能で、寄せられた意見は、回収翌日には病院長、、事務部長をはじめ各部署に回され、できるだけ早い対応を心がけているとのことだ。改善した内容は、投書された方に即時連絡をされ、また、掲示板(一階外来待合室のロビー)に張り出すいう形で広く公開されている。昨年12月には、要望の多かった院内での携帯電話の使用についても、院内に専用エリアを設けることで改善。プライバシーなどの理由で個室を希望する患者さんの声を反映し、新棟には71室ほどの個室が新設される。今回のリニューアルを期に新棟、既存棟にともに新しく導入される床頭台にも、さまざまな意見が反映されている。アームで角度が変えられる液晶TVや一台一台に設置されたパソコンのモジュラージャックの差込口、専用のセフティボックスなどが機能的に設計された特注品。療養環境に配慮した姿勢がうかがえる。
また、投書の多くには職員の接遇に関して触れられることも多いと言う。現在、委託も含めて院内には約950名の職員がいる。各職員全員が患者さんとの接遇について、常に意識的であるために、自己評価をし、客観的評価を受けるというグループ活動も積極的に成されている。


複数の診療科にかかる患者さんの診療情報を一元化しようと、平成14年度にオーダリングシステムというコンピューターシステムを導入。それまでは各科ごとに分かれていた患者さんの診療情報を一元管理することで、その方がどの科に通院し、どういう薬を服用しているか、どのような検査が行なわれたのかなどの情報を医師や看護師が共有するというものだ。現在は、来年2月をメドに注射薬剤についての情報も共有化が進められている。今までは、職員が手で転記し帳票でやりとりする中で複数の監査体制をふんでいた作業だが、安全で効率的にやるためには、IT化で一元化することが必要ではないかと導入に踏み切った。
また、医師による治療の指示情報に付加する形で、従来の看護記録を電子化する看護支援システムの導入も検討しているとのこと。これは看護する側の習熟度によってバラツキがないように、看護の在り方をナビゲートしてくれるというもので、患者さんの問題点を見出し、どのような看護が必要なのかという看護計画を支援するシステムだという。
最終的にはレントゲンフィルム、CTなどの画像による診療情報までを含め、電子カルテに必要な医療行為の記録を、段階的に導入していく予定。これら電子カルテに関しては、管轄する厚生労働省が医療のIT化に関して進めている標準化などの検討事項にも関連するため、現在、全国的にみても、2〜3%の導入率だそうだ。


平成11年に道南で初の日本医療機能評価機構認定施設となった。これは、診療の質や患者さんへのサービス、地域との連携など、病院の持つ機能を客観的に評価する第三者機関、日本医療機能評価機構という財団法人による評価を受けた病院ということ。昨年16年にも認定施設として再更新し、約580項目もの細部のわたった厳しい審査をクリア。よりいっそう安全な医療施設としての充実を図っている。


函館五稜郭病院では、現在、外来診療は救急、紹介をメインとし、急性期入院主体の医療を提供するという基本方針を持っている。そのため、初期診療や専門的な分野の治療については、他の医療機関との連携が必要となってくる。「イチ病院で診るのではなく、地域における医療施設としての役割を明確にし、そこを担っていく」という考えのもと、平成13年に開設。紹介を受けた患者さんの窓口となり、退院後、引き続きの看護をする地方の医療機関へ転院する場合にも、すみやかに情報が引き継げるよう診療情報を管理するのが役割。年々、利用者が増しているという。



新棟のオープンと同時に新設される「医療総合サービスセンター」は、これまで、地域の医療機関からの紹介窓口として機能してきて地域医療連携室と、入院している患者さんが退院後に入所する先などを相談する窓口としての医療相談室、そして、病床の管理を行なう入退院係を統合させ、患者さんの管理を一元化するしくみを作ろうという試みのひとつだ。それぞれの部署が持つ患者さんの情報を共有することで、ひとりの患者さんが入院してから退院するまでを、患者さん本人、家族の方などが気兼ねなく相談できる窓口として設置される。ケースワーカーを始めとし、各部署に在籍していた約10名のスタッフが担うそうだ。