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今回は、地域の『福祉タクシー』を目指す、(有)ゆり車椅子支援サービス 由利智志さんにお話をお聞きしました。
<取材協力>
由 利 智 志 氏
(有限会社ゆり車椅子支援サービス 代表取締役)
(有)ゆり車椅子支援サービスHPへ
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みなさんは「民間救急車」という言葉を耳にしたことはありますか?
もし、ご存知なくても、福祉タクシーあるいは介護タクシーと呼ばれるサービスについては聞いたことがあるかもしれません。
民間救急車とは、国土交通省の免許とその地域を所管する消防署の認定を受けた民間の事業者が「患者等搬送事業」として、送迎や輸送を実施する専用車両のことを言います。
福祉タクシー等と大きく違うのは、各自治体の運営する救急車両とほとんど遜色ない装備を持ち、場合によっては救命士や看護師などが同乗するという点。
現在、函館市、近郊の市町村では、福祉タクシーとして営業している会社が5社ありますが、唯一「民間救急車」の役割を果たすサービスを提供しているのが、今回ご紹介するゆり車椅子支援サービスです。 |
ゆり車椅子支援サービスの代表である由利智志さんは、地元の高校を卒業した後、海上自衛隊に入隊。そこで救難や消防、救急救命などの訓練を受け「命の尊さ」を学んだと言う。その後、由利さんは長距離トレーラーの運転士を14年ほど経験し、タクシードライバーの職を経て、昨年一月に会社を設立。
福祉タクシーの事業に踏み切った理由は、「長距離を走っていた時代に、急激な体調不良で運転席のベットに寝たまま、体が動かなくなりまして、救急車のお世話になったことがありました。ありがたかったですね。と同時に、漠然とですが、こういう仕事はいいなあと感じました」。そして、もうひとつ。タクシードライバーとして乗務していた際に「福祉タクシーの料金が高いことやサービスの質について、いつも不満がありました。
自分がやるならばそうした点は改善したい。何よりも必要としている人の役に立ちたいという気持ちが強かったんです」と話す。


車内の様子 |
会社設立に向けて、単に福祉タクシーに留まらないサービスをしたいと考えた由利さんは、営業開始と同時にストレッチャーや酸素ボンベを車両に搭載した。その後、酸素吸入器、吸引器、心電図など、徐々に救急看護移送に必要な装備を増やしていった。救急車の場合、緊急時に蘇生治療もできる高度な装備を持っているが、そのことを除けば、こうした民間の救急車と違いは唯一、赤色灯とサイレンがないため、緊急走行ができないという点だけだ。
「救急車のような装備にしていったのは、たまたまにまわりに看護師さんがたくさんいたこともありました。もちろん、医療行為を必要とする利用者の方の場合は、同乗もします」。 |

ゆり車椅子支援サービスの場合、驚くのはその低料金。初乗りは、一般のタクシー料金とほぼ変わらない550円。その後の料金も、タクシーメーターのそれと変わらないという(看護師同乗の場合のみ、看護師一名につき時間給が発生するとのこと)。たとえば、家族の転勤で移動するため、遠方の病院への転院のためなど、長距離移送のニーズも多く、その場合は貸切料金として承ることも可能とのことだ。
開業当初は、あまり知られていなかったゆり車椅子支援サービスだが「利用した人が広めてくれましたね。今では、大手の病院から問合せがあったりもします。『長距離の移送なので、お宅しかまかせられないから』と。うれしいですね」
救急車両と変わらない装備を持ち、看護師も同乗するというサービス内容への満足度もちろんだが、14年間、長距離トレーラーの運転士を勤めていた由利さんの経験の確かさもまた、利用者への安心や信頼につながるのだろう。「つい先日も、函館市から群馬県へ、高齢の患者さんとその家族を運ぶという仕事がありました。その方は、水や食事も管から注入する状態の患者さんでしたので、看護師も同乗しました」。
単に長い距離を運転するだけでも大変なのに、加えて緊張感もあるだろうたいへんな仕事ですね、と話したら「いいえ、緊張感より使命感のほうが先です。何事もなく目的地までお届けしたいという気持ちだけですよ。その分、無事に届けることが出来た後の安堵感というのは何ものにも変えられないですね」と由利さんは言う。

ゆり車椅子支援サービスでは、この春、長距離対応の1号車の他、主に市内、近郊でのニーズを考えた2号車を導入した。2号車を担当するのは、タクシー会社に勤めていた時の同僚である村岡さん。「彼とは以前からこういう仕事をしたいね、と話していたんです。彼はほんとうにお年寄りにやさしくてね。見せかけではなく、素直に手を差し伸べられる人なんです。そういう人と一緒に仕事をしたかった」と話す。
由利さんからいただいた名刺には、「365日無休!
24時間営業」と書いてある。「他社では、夕方4、5時になると、もう予約でいっぱいですからと断るという話を耳にしました。必要としているお客さんがいるのに…と、そのことが許せませんでしたね」と由利さんは言う。「もう酒もやめました(笑)。今は仕事が楽しくやりがいがありますから」とお二人一緒にうなづいたのが印象に残った。 |

介護老人保健施設やわらぎ苑前にて |

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