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今回は、医療保険による訪問マッサージを始めた、益井東洋治療院 益井 基 院長にお話をお聞きしました。
<取材協力>
益 井 基 氏
(益井東洋治療院 院長)
益井東洋治療院詳細ページ
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今回ご紹介する益井東洋治療院は、開業して今年で20年目。鍼灸と整体(体のバランスを整える治療)を専門とする治療院です。お話をうかがった益井 基院長は、年齢以上にお若く溌剌とした方で、良い「気」が流れているなぁと感じられる方。まずは東洋治療とはどんなものかを訊ねてみました。
◆どのように治療されるんですか?
東洋医学の場合、痛みの原因がどこにあるのかを探るために全身を診ます。方法としては、局所の可動検査の前に、患者さんの歩き方や前後屈伸運動で体全体の動きをみるんです。人間の身体は、関節をまたぐ形で筋肉があり、それが伸び縮みすることで身体が動くようになっているんですね。身体がうまく動いていない場合は、関節の位置や筋肉の状態などに、何らかの変化があると考えられます。
痛みや異常がどこかにある場合はそれなりの動きしかしなくなるんです。たとえばご本人はまっすぐ動いているつもりでも、実はねじれていたりと、無意識に可動の制限が起きるわけです。そういう動きの不自然さを診るんです。次に触診して局所の腫れや異常な緊張などを確かめます。そうすることで多くの場合、痛みの原因の予想がつきますね。あとは、生活習慣や生活環境、食生活についての問診もします。
◆この最初の検査は、どんな症状の患者さんに対しても同じようにするのですか?
そうですね。東洋医学の治療のアプローチというのは、全身を健康状態にするというものです。私たちが痛みを治すのではなく、治るべく道筋をつけてあげるという考えです。本来、患者さんのもっている治癒能力を高めてあげるという方法をとるんです。もちろん、痛みがあるという部分も実際に触りますが、たとえば腫れなどの触ってわかる症状は、実は二次的なものであり、直接の原因ではない場合も多いんです。
◆鍼灸と整体を併用して治療にあたる治療院は少ないように思うのですが…。
そうかもしれませんね。当院では、鍼灸・マッサージともに国家資格の先生が治療にあたりますので、症状によって鍼灸で炎症を抑えたり、血液の循環をよくしたりする局所療法を行い、骨格的な治療で骨関節の機能異常を回復させるなど、併用させています。症状にもよりますが、実際、治療効果もあがるんです。
◆治療院にこられる患者さんには、どういう症状の方が多いですか?
年齢性別問わず、腰痛が多いですね。交通手段の発達やクルマ社会の到来で、人間が歩かなくなったということが大きいでしょう。生活が便利になったことによる運動不足が原因というのは大きくあります。あとは、出向いた病院で「異常なし」と診断されたけど、どうにも痛みが改善されないということでこられる方も多いです。西洋医学の数値的な診断では異常がないとされても、やはり「痛い」という症状があるわけですから、何らかの原因があるはずなんです。そういう曖昧な症状の方が多いのも事実ですね。医療機器や薬など、時代とともに新しいものがどんどん開発され、医師の技術も進んでいます。そういう意味でたしかに「病気」は減っているかもしれませんが、病人は減るどころか増えているんですね。
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同治療院では、平成17年6月に「訪問マッサージ」を始めました。医師の同意のもとに個別のプログラムを作成し、自宅にて、定期的にリハビリマッサージを行なうというもの。医療保険が適用される(医師の同意書が必要になる)というこの「訪問マッサージ」は、半年も経たないうちに人伝に広まり、患者さんからの評判も上々と聞きます。
◆ご高齢者の方が多いですか?
多いですね。もともと、地域の高齢者医療に何らかの形で関わりたいと思い、治療院として何ができるかをずっと考えていたんです。いろいろと調べていく中で、介護保険と医療保険の狭間の患者さんがたくさんいるということがわかりました。たとえば、介護保険を使ってデイサービスのケアが受けられますが、それ以前のこととしてもっとシンプルに硬くなった関節や筋肉のこわばりをやわらげたい、何らかの後遺症による麻痺で、思うように歩くことできない状態を少しでも改善したいなど。
さらに、神経痛やリウマチ、五十肩などの症状のため、整形外科で治療を受けたいが日々通院することがたいへんな方、もしくは寝たきりなどの場合などもありますよね。私たちのような鍼灸とマッサージの両方の資格を持っているスタッフが訪問するという形をとることで、そうした患者さんのニーズに応えられるのではないかと思ったんです。
◆実際に始められて、現在の状況はいかがですか。
おかげさまで、反応は非常にいいですね。平成17年3月くらいから体制づくりを始め、本格的に稼動してから、4、5カ月ほど経って一人の先生では手に追えなくなり、2人体制にしました。患者さんからは「ラクになった」、「痛みがなくなった」などの声をいただき、うれしく思っています。ご高齢の場合、機能回復には時間のかかる症状も多いですが、やはり定期的に続けることで明らかに治療効果が見られ、みなさんそれぞれに改善傾向にあります。それに、週に一、二度、訪問することを楽しみに待ってくれている患者さんも多いんですよ。なにより「そういう治療があったのか」という声をよく聞きます。始めてよかったと思います。
◆今後ますます、ニーズが高まりそうですね。
そうですね、現在の体制では賄えなくなるでしょう。地域医療全体を考えた時、こういう治療のシステムが地域全体にどんどん広がればいいなと思っているんです。函館圏にはご高齢の方が多くいらっしゃいますから、こうした治療体制に対する要望も多いと思います。なんらかの病気を抱える患者さんの病状を少しでもよくなるよう改善する、健康維持する助けをする。そういう東洋医学の考えを、今の医療技術と併用しつつ、双方の良き部分を持って患者さんの治療に活かせれば、長い目でみると、日本全体の医療費削減にもつながるのではと思っているんですよ。
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